80 鬼の首を取る
北国で大々的にやっている雪祭り。
雪で造った雪像が何体も並ぶ、、、
その近所に住んでいる子供達は、きっと強い大人になる。
なぜなら、自分達が作る雪ダルマがいかに惨めなものかを
幼くして知る事になるからだ。
スイカ畑の近所の子供も早くに現実を知る。
本来、果物界のダイヤモンド的な存在のスイカが
道端にゴロゴロなっている安っぽさを目の当たりにするからだ。
子供だって、薄々は現実に気づいている。
そして、現実を知る度に大人になる。
枕元で親が絵本を読みながら「ガオー！食べちゃうぞー！」なんて言っても
だんだん怖くなくなっていくのが自然の摂理だ、、、
そして、本当に怖いものは何かを知って行く。
もし、ボクに子供が生まれたとして
ましてや男の子だったら
ボクは迷わず幼い頃から現実の厳しさを教えたい。
例えば、絵本を開いて、そこに
「クジラが背中から吹く潮に虹がかかっている」絵なんかが描いてあろうものなら。
クジラの背中から噴く潮は「鼻水」で
ものすごいクサい事や。
虹は背中に太陽を背負った時、一定の角度の高さに見える。
だから、近づいたら消えてしまう事。
もちろん虹を上る事なんて出来ない事を切々と教えたい、、、